2024年12月09日
<先天性サイトメガロウイルス感染症の検査>
サイトメガロウイルス(CMV)は世界中のいたるところにありふれたウイルスで、
唾液や尿に触れた手を介して感染します。
主に幼児・小児のうちに気づかず感染していて、その後は生涯にわたり免疫をもっています。
子どもも大人も健康であれば感染しても全く問題ありませが、先天性感染(胎内感染)には注意が必要です。
妊娠中のお母さんが感染した場合には、赤ちゃんにまで感染が及ぶことがあり注意が必要です。
10代の妊婦さん・3人目以降の妊娠中の初感染が多く見られます。
胎児のうちにCMV感染を起こしてしまうと、流産・死産、脳や聴力に障害が生じる場合が
あります。見た目では問題がなくても精密検査を行うと症状がみつかる場合があります。
先天性難聴のうち21~25%がCMV感染です。
また、先天性CMV感染は、出生時に問題がなくても、成長するにつれて症状が出る場合があります。
先天性感染児の20~30%が症候性、70~80%が無症候性感染児として出生します。
症候性感染児の約90%が発達遅延、運動障害、難聴などの後遺症を、
無症候性感染児でも約10%に難聴などの後遺症を残します.
~赤ちゃんを守るために今できること~
<先天性サイトメガロウイルス(CMV)PCR検査>
【検査の目的】
見かけでは元気な赤ちゃんでも、生まれつきこのウイルスに感染していることがあります。
感染を早く見つけて適正な対応をすることで、障害の程度を最小限にとどめることが大切です。
【妊娠中の感染予防】
・石けんと流水でしっかり手を洗う…基本の基本‼
手洗いができないときには、消毒用ハンドジェルの使用も良いでしょう。
特に調理時や食事前、子どもとの食事後、おむつ替え後は必ず手洗いをしましょう。
・子どもと食器を共有したり、食べ残しを口にしたりしない
子どもの唾液がついていそうなものは口に触れないようにし、それらを扱った手は速やかに洗いましょう。
・子どもとのキスを避ける
ただし、親子のスキンシップは大切です。おでこへのキスやハグなら問題ありません。
・性行為にはコンドームを使う
性行為で感染する病原体には注意が必要です。
また特別な病原体でなくても、膣内感染の刺激が早産の原因になることもあります。
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